早朝のスケートリンクに集合!
京都アクアリーナ(2018年11月9日=撮影:井上真希)
立命館大学スケート部フィギュア部門は週に1~2回程度、スケートリンクを貸し切って練習をしています。この日の練習は京都アクアリーナ(西京極総合運動公園内)で行われ、15名が参加しました。
午前6時30分から午前8時30分までの二時間を熱心に練習していました。雨で気温が下がり、寒さを感じる日でしたが選手たちはキレのある動きで滑走します。
京都アクアリーナ(西京極総合運動公園内)のスケートリンク
この選手に注目! 丁寧なスケーティングで魅了する 山田さくら 選手
立命館大学スケート部フィギュア部門を牽引し、目標に向かって挑み続ける山田さくら選手(経営学部3回生)に密着しました。
山田さくら選手(写真左)と記者(写真右)
8歳でスケートを始めた山田選手は、大阪府のスケートリンクで練習に励み、現在では日曜日以外は毎日リンクに通っています。過去には国内の最高の試合である、全日本フィギュアスケート選手権大会に出場した注目の選手です。大学ではフィギュアスケート経験者として、初心者の部員にアドバイスをしています。
「フィギュア経験者と未経験者は大体半分ずつぐらいで、みんなで教えあっています」
と笑顔を見せる山田選手。練習では上半身の使い方など表現面の細やかな指導も行います。
山田選手は今シーズンに近畿フィギュアスケート選手権大会、西日本フィギュアスケート選手権に出場し健闘しました。西日本フィギュアではジャンプの失敗はあったものの、スケーティングスキルや曲の理解などの演技構成点が評価され、豊かな表現力と磨きぬかれた丁寧な滑走で観客を魅了しました。
山田選手はここまでのシーズンを「西日本の前は調子が良かっただけに悔しかったです。久しぶりに悔し泣きをしました(笑)。試合って100パーセントを出すのが難しいんですね」と振り返り、これからの課題にメンタル面の強化を挙げています。
「今やっている練習は、ジャンプの成功確率を上げることです。単発でジャンプだけを跳ぶ練習をするのではなく、プログラムを想定してそのままの流れで練習をしています。体力的に厳しいですが、これを積み重ねることで本番でも決まってくると思う」と話します。
『Once more』もう一度あの舞台へ、プログラムに込めた思い
練習中の山田選手(同上)
音楽を聴くことが好きだという山田選手にとって、プログラムには特別な思いがありました。今シーズンのショートプログラムは『Say something』、フリースケーティングは『Once more』。両方とも自身で曲を選び、コーチ・振付師とともに作り上げてきました。また、衣装はすべて山田選手のお母さんが制作したものだそうです。
「どちらのプログラムもステップが好きです。ボーカル曲のほうが歌詞の意味を調べて気持ちを込めやすいので滑りやすい。特に好きなのはフリープログラムの『Once more』。もう一度、という意味です。やっぱり全日本フィギュアにもう一度出たいという思いはずっとあって」と微笑みます。
山田選手は大学卒業時にフィギュアスケートを引退する予定だそうです。「来年は最後なので、絶対に全日本フィギュアに出たい。来年こそ頑張ります!」と力強く頷きました。
山田選手に自身の強みについて聞くと、じっくり考えた後「負けず嫌いなところですかね、悔しかったらとことんやる」と笑顔で答えてくれました。
次の目標 インカレに向けて
11月16日~18日に行われた第12回西日本学生フィギュアスケート選手権大会(於:大阪府高石市)は、来年1月の「インカレ」こと第91回日本学生氷上選手権大会の予選。インカレは大学生の全国大会にあたる大切な大会です。立命館大学スケート部フィギュア部門はインカレの出場を部一丸となって目指します。
レイバックスピンをする山田選手(同上)
山田選手は「個人ではインカレで入賞を目標にして、団体戦もあるので同期、後輩と一緒に上位を狙っていきたい。立命館を強いチームにしたい」「大学生の試合は応援が賑やかで本当に面白いです」と話します。
そして、この大会で山田さくら選手は2位に、女子7・8級クラスで団体3位に輝きました。これによりインカレへの出場が決定しました。インカレでの更なる飛躍が期待されます。
さいごに
立命館大学スケート部フィギュア部門は初心者から経験者まで幅広く、切磋琢磨して練習に励んでいます。早朝の練習であっても選手の表情は明るく、声を掛け合う姿からは、チームメイトとフィギュアスケートへの熱い気持ちが感じられました。立命館の選手たちはこれからもたくさんの観客を魅了し続けます。