メディア芸術研究会「関西のエンタメ業界志望の学生へ」

10月17日(金)、私たちは立命館大学メディア芸術研究会さんを取材しました。メディア芸術研究会は80人ほどの団体で、メディア芸術(アニメーション、漫画、ゲームなど)についての研究を行っています。夏にはコミックマーケットにも出展していました。
今年、メディア芸術研究会は「SPOTプロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトは、エンタメ業界の情報を学生に提供することを目的としています。学園祭ではインタビュー雑誌の販売と業界関係者による講演会を行いました。メディア芸術研究会とはどんな団体なのか、SPOTプロジェクトとはどういったものなのか、会長の赤澤佳岳さん、SPOT担当の髙本雄大さん、上松敬弘さんにお聞きしました!

メディア芸術研究会さん(以下メディ芸さん)は普段はどのようなことをやってらっしゃるんですか?
赤澤:そうですね、週2回、会員が日々の研究をパワーポイントやレジュメを使って発表して、その発表の内容に対して会員が質問や意見を述べるという、勉強会に近い活動をしています。さらに一番のメインの活動として年3回、新歓期と夏季休暇中と学園祭でそれぞれ会員個人の研究、批評論文を集めた機関誌、『ZINLOSS』を発行しております。
どのような研究をされていますか?
赤澤:会員個人でそれぞれ違ってくるんですけど、例えばアニメーション監督の表現の今敏さんのアニメーション表現についてだとか、会員個人によって内容は異なってきますけど、そんな感じで活動しています。
メディ芸さんに入る方はどんな方が多いですか?
赤澤:基本的にはメディア芸術、アニメ、マンガ、ゲームのことなんですけども、それらを愛好する人。まぁ、友達とそういう話をしたい人とか、メディア芸術に関する知識に興味がある人がほとんどです。
SPOTについてお聞きします。SPOTとは何ですか?
髙本:元々、学祭に出す情報誌として企画したんですけど、ちょっと大きくなって、まぁ、SPOTプロジェクトとかになって。
具体的にはエンタメ業界で働いている方々の仕事とか、制作現場とか、大きなプロジェクトとか取材してわかることがあったり、情報を仕入れたりできたら。
やっぱ、アニメの会社だったり、音楽だったりっていうのは大体東京に一極集中しているので、関西ってあんまり情報わかんないじゃないですか。でも、そこがわかる。例えばどんな現場で、作られているかとか、どういう人たちが活躍してるかっていうのをまず知って、さらには就職活動に役立てれるような情報を仕入れたり、人脈であったりとかができたらいいなっていうことで活動してます。後は、関西の学生で、エンタメ業界に入りたい学生たぶん多いと思うんですよ。そういう人たちにも情報を教えられたらなっていうので企画が立ちました。
学園祭で情報誌を販売されるのですか?
髙本:そうですね、今回は…(笑)とりあえずは学祭でvol.1として販売。大体48頁ぐらいになるかな?できる限りカラーのページでいきたいんですけど、まぁ、予算ですね…(編注:オールカラーになりました!)。
2日間両方とも販売で、部数のほうはまだ調整中なんですけど、基本的にできる限り学校から補助をもらいつつ、学生に手に取ってもらえる値段設定でやっていきたいなと思っています。本当だったらタダで配るのが一番なんですけど、さすがにちょっとそれはねっていう(笑)
(サンプルを見て)作品についても深く触れていますが、就職支援との割合はどれくらいですか?
上松:制作過程を追いながら作品について語ってもらって、最後に監督ってどうやったらなれるんかな?っていう。この節を他のプロデューサーだとか、声優さんとかもどういう風に学生時代過ごせばなれるのかな?みたいな話は聞いているので、そこらへんをつなげていただけたら。
制作中で苦労した点はありますか?
髙本:絶賛苦労中ですね(笑)あんま人数いないんですよ。プロの方に取材をするっていうのはかなりハードルが高いので、中心で動いているのは7、8人くらいですかね。取材にいく人たちだけだともう4、 5人ぐらいで取材掛け持ちしてて。
デザインする人って一人しかいないんですよ今。ソフトが使える人材がいないんで、そこがちょっと苦労しているのと、取材がやっぱ全然やったことがないのでまず文字おこしどうすればいいのかとか、取材どうすればいいのかとか(笑)手探りでしたね。
SPOTを始められたのはいつごろなんですか?
髙本:12月に言ってました。そもそもは月に一度、業界の方を呼んで、この学校で講演会をしようっていう企画だったんですけど、お金がないよね(笑)、単純に動く人もいないよねってなっちゃって。
メディア芸術研究会って、4年連続でトークイベントをしてるんですね、声優さんを呼んで。去年の高森奈津美さんのときに思いついて、「インタビューってできますか?」って直前に聞いてみたら、「あ、いいですよー」ってなったので、「インタビューって気軽にできるもんなんだな」ってのを知って、毎月講演会は無理だけど、インタビューならできるんじゃないかなー、と。しかも、あんまお金かけずにできるから。この辺の企画(SPOTの資料を指して)全部お金かかってないんですよね。
上松:交渉するときに基本的に全員にどうしても無償でってお話をして、承諾をしていただいているんです。
インタビューはどんなスケジュールでしたか?
上松:自腹で東京に何度も行きました(笑)車でオールで行って、朝にスタジオの取材に行って、昼にラジオのプロデューサーのところに行く、みたいな(笑)。最初の予定よりインタビューする数めっちゃ増えて…
髙本:最初は4つくらいかなーって言ってたら結構オッケーもらえて、じゃあせっかくだから行こうって。
学園祭ではSPOTの企画として近藤光さん、北久保弘之さんをお呼びしていますがどういった理由で?
上松:うちの会員が興味・関心のある方に何人か声をかけて、来ていただける方にぜひ来てもらおうということで、ufotableの近藤光さんとアニメ監督の北久保弘之さんにオファーをかけたところ、ありがたいことにご承諾いただきまして。
講演会の形を取られたのはなぜですか?
髙本:やっぱ、関東で活躍している方に来てもらいたいっていうのはあるんですよね。この(雑誌の)宣伝にもなるし、聞いた方が絶対いいし。直接質問できるコーナーとか作る予定で、みなさんが疑問に思っていることを直接聞ける場ができればっていうのはありますね。
上松:声優イベントのときだと告知のフライヤーをアニメイトとかショップに置かせてもらうんですけど、今回アニメとかゲームの部門を持っている専門学校だとか、芸術・美術大学に置かせていただいて、どうせなら業界を志望している学生に来ていただいて、レベルの高い講演会になればなと思っています。
学園祭での展示は何をされますか?
上松:今年も五つの班に分けて、共同で展示物を作っています。五つの班は、オタクと恋愛班、アニメ班、ゲーム班、ゲーセン班、マンガ班に分けて各タイトルごと、おっきな模造紙で研究成果を壁一面に貼って展示します。またうちの会のメインである機関誌「ZINLOSS vol.16」の方は、志学館での展示物を見に来て下さった方にお配りいたします。
学園祭終了後何をする予定ですか?
赤澤:冬コミに学祭号とか夏号とかを持って行って、って感じですね。毎年、応募はしています。
SPOTのvol.2以降は考えていますか?
髙本:勿論そうですね(笑)構成は考えてあるんで、次の代と相談してって感じですね。
上松:SPOT班は割と1,2回生で組んでるんで割と来年以降もできると思うんですけど。
SPOTをやってみての感想は?
髙本:いやまぁ大変(笑)だけど、エンタメ業界、例えばテレビ業界やアニメの制作現場って意外と近いなって。会って話してみると僕らが大学でやってることの延長線上であるとかは感じましたね。インタビューしてみると大学時代は同じように遊んで同じようにサークルして同じように就職してって、そんなんばっかりだったので「意外と近いな」「働いてみたいな」とは思いましたね。
上松:吉浦さんは大学時代に自分一人で『ペイル・コクーン』っていうアニメを作って公開するということをやってた、と言う話を聞いて正直通じるところがあるなって。髙本:やっぱり在学中にやらなきゃなって。エンタメ業界で働いている人たちって、やっぱり自分がしたいことを追い求めている人たちなんで、そういうとこ入りたいんだったら、やらなきゃやばいよなっていうのはヒシヒシと感じた、かな?
最後にメディ芸さんの魅力をお願いします。
赤澤:他の大学さんだとアニメ同好会や漫画研究会だったりっていう区分わけがしっかりしてるんですけど、うちの会はそういうのはないです。どれでもいいからって言う雑多な感じに、趣味が全く違う人が集まって何かをやるっていうのが魅力かなって思います。
上松:やろうと思えば何でもできるような環境はわりと整っているので、こういう企画とか色々したい人はぜひ来てもらえたらって感じですかね。魅力になってないですかね(笑)
髙本:うちはアニメ好き・漫画好き・ゲーム好きって全部好きな人ばっかしかいないんで、アニメとか漫画が好きな人はうちにいて居心地が悪いことって多分無い。基本的にはBOXとかでダラダラしたりっていう普通のサークル活動もできるんですけど、望めばかなりプロに近い企画にも関われるかなとは思いますね。トークイベントの司会とか運営であったりとか取材であったりデザインであったり、全部できますから、うちでやりたいことがあれば、楽しい4年間が過ごせるんじゃないかなって思います。めっちゃほめた(笑)以上です。

次の活動にも明るいメディア芸術研究会。新しい情報は下記に記載されているTwitterで随時更新されています。今回の学園祭で興味を持った方は、ぜひチェックしてみてください。

SPOTプロジェクト公式サイトhttp://rumas.org/spot/index.html
SPOT編集部ツイッター @spot_rumas
立命館大学メディア芸術研究会公式ツイッター @RUMAS_N

取材・文:荘伶奈 矢澤達也

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