劇団月光斜冬公演「暖かいクリスマスプレゼントを観客に」『サンタクロースが歌ってくれた』

12月22日(火)~24日(木)の3日間、劇団月光斜の冬公演『サンタクロースが歌ってくれた』が学生会館小ホールにて行われます。
初回公演となる22日夜には、寒い中多くの観客が小ホールにつめかけました。

今回の脚本は、成井豊さん(演劇集団キャラメルボックス所属)、演出は涼嵐凜(すずらんりん)さんです。

【あらすじ】
舞台は、1997年の東京。クリスマスイブに予定のないゆきみは、友達のすずこを映画に誘うも、すっぽかされたために一人で映画を観ることに。上映されていたのは、芥川龍之介や平井太郎(のちの江戸川乱歩)が怪盗・黒蜥蜴を捕まえようとするミステリー『ハイカラ探偵物語』。ゆきみ以外観客がいない不人気作だった。劇中で芥川が黒蜥蜴の正体を指差そうとしたその時、スクリーンにいるはずの黒蜥蜴がいないことが判明。「このままでは映画が成り立たない!」と騒然となるスクリーンの中。そして、登場人物たちが黒蜥蜴を追うために、スクリーンの外にやってくる。ゆきみは、探偵・芥川龍之介とともにクリスマスの東京を駆け回る!

 文字通りスクリーンから人が飛び出てくる本作では、舞台も客席ぎりぎりまでよせられており、観客の目の前で登場人物たちが臨場感たっぷりに劇を進行します。
劇中映画『ハイカラ探偵物語』は大正5年が舞台。タイムスリップ作劇の特徴である、「違う時代の常識や科学に仰天する現象」がいかんなく発揮されており、電車やタクシーに乗る文豪たちに笑ってしまいます。
この大正時代の設定を特徴づけるのが、大正ロマンを再現した今回の衣装や美術です。洋館のセットや、月光斜独自のワンポイントが施された和洋折衷の衣装・小道具は必見です。また、大正5年当時の芥川龍之介や江戸川乱歩が物語の鍵となるので、文学ファンも見逃せません。
 そんな見所の多い本作ですが、これから観劇する方に向けてのメッセージを月光斜から頂いてきました!!
 メッセージ:”どうやったらお客様に「あー面白かった!」と言って帰ってもらえるか”だけを考えて皆でやってきました。
クリスマスにきっと楽しい時間をプレゼント出来ると思います!是非お越しください!

 千円札に夏目漱石が印刷されている1997年。当時からクリスマスは「大切な人と過ごす日」という習慣が盛んなようですが、今年はどんな方も、劇団月光斜冬公演『サンタクロースが歌ってくれた』をご覧になって、心が暖かくなるクリスマスにされてはいかがでしょうか。
  公演は23日(水)、24日(木)にも行われます。両日とも13時、18時半からの開演です。是非足を運んでみてください。

【取材】矢澤 達也

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